松本俊彦5選
松本俊彦さんの作品は、緻密なストーリーテリングと個性的なキャラクターたちの優れた描写に定評があります。生活のあらゆる場面での人間の心情や夢心地のような風景、深く考えさせられるテーマを描いています。彼の作品群の中から5つを選んでみると、一つ一つがそれぞれ異なる魅力を放っています。故郷への愛を繊細に描く作品、人間の思いや行動を深く掘り下げて展開する社会派作品、静かながらも心に響く人間ドラマ、現実と非現実が錯綜する幻想作品、そしてコミカルながらもシャープな人間観察が光る作品…。それぞれの作品が、松本さんの多面的な才能を感じさせてくれます。
『身近な薬物のはなし タバコ・カフェイン・酒・くすり』
酒、お茶にコーヒー、煙草、処方薬や市販薬……私たちはアルコールをはじめ、様々な「薬物」とともに生きている。なぜ人は薬物を求めるのか。乱用に至る人々の背後にある苦しみや生きづらさとは。精神科医で依存症研究の第一人者が、身近にある薬物の歴史や私たちの暮らしとの関わりを語る。好評ウェブ連載、待望の書籍化!
| 作者 | 松本 俊彦 |
|---|---|
| 価格 | 2640円 + 税 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 2025年03月17日 |
『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』
「ダメ。ゼッタイ。」に代わる、有効な手立てはありうるのか?
依存は回復の始まり。
やめればいいってものじゃない!?
連載時から当事者、当事者家族、支援者・専門家を騒然とさせた
不良患者×不良医師による画期的な往復書簡がついに書籍化ーー。
現代人にとって最も身近な「病」である依存症ーー非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、その対象は多岐にわたる。
そんななか最も身近な依存物質であるアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠と、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦の、一筋縄ではいかない往復書簡が始まった。最小単位、たったふたりから始まる自助グループ。
依存症の裏側にある、さらにその深淵へ!
特別鼎談「ギャンブル依存症問題を考える(ゲスト:田中紀子)」も収録。
| 作者 | 松本俊彦/横道誠 |
|---|---|
| 価格 | 2420円 + 税 |
| 発売元 | 太田出版 |
| 発売日 | 2024年09月13日 |
『オーバードーズする子どもたち なぜ、「助けて」が言えないのか?』
薬物依存症の臨床現場では、10代患者が急増しています。その多くは覚醒剤や大麻ではなく、「市販薬」です。子どもたちはつらい感情を和らげようと市販薬をオーバードーズし、いつしかそれを手放せなくなっています。
わが国の薬物対策は長らく「ダメ。ゼッタイ。」のスローガン一辺倒で、使用者をさらし者にし、排除してきました。その背後にある「生きづらさや困りごと」には目を背け、気づかないふりを決め込んできたわけです。いま私たちは、そのツケを突きつけられています。(「はじめに」より)
第1章 まず共有したい自殺のファクト
第2章 リストカットとはどんな現象か
第3章 リストカット、そしてオーバードーズ
第4章 さまざまなトラウマとオーバードーズ
第5章 助けを求めないのが自傷行為の本質
第6章 ハームリダクションと持続可能な支援
| 作者 | 松本俊彦 |
|---|---|
| 価格 | 1650円 + 税 |
| 発売元 | 合同出版 |
| 発売日 | 2025年10月29日 |
『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』
ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。
いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。
同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだーー人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。
読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。
「再会」--なぜ私はアディクション臨床にハマったのか
「浮き輪」を投げる人
生きのびるための不健康
神話を乗り越えて
アルファロメオ狂騒曲
失われた時間を求めて
カフェイン・カンタータ
「ダメ。ゼッタイ。」によって失われたもの
泣き言と戯言と寝言
医師はなぜ処方してしまうのか
人はなぜ酔いを求めるのか
あとがき
参考文献
| 作者 | 松本俊彦 |
|---|---|
| 価格 | 2860円 + 税 |
| 発売元 | みすず書房 |
| 発売日 | 2021年04月05日 |
『世界一やさしい依存症入門 : やめられないのは誰かのせい?』
| 作者 | 松本,俊彦,1967- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 河出書房新社 |
| 発売日 | 2021年08月 |
これら5つの作品を通して感じられる私が大好きな松本俊彦作品の魅力、それは一言で言ってしまえば、彼の作品から溢れ出る深淵な美しさです。彼の描く登場人物たちは、平凡な日常の中に埋もれている魔法を見つけ出す視点を持っており、その視点は読み手に新たな世界を開く鍵となります。どの作品も、松本俊彦の描き出すキャラクターの説得力や描写力は本当に素晴らしいと感じざるを得ません。
また、彼の作品は読み手に常に問いかけてきます。それは人間の存在や心の闇、人生の意味など、止まることのない深くて広いテーマについて。そこには答えが用意されていないため、必然的に私たちは自己と向き合わざるを得ないのです。一方で、それらを通して描かれる強烈なドラマや温かな人間描写が、読むことの喜びをしっかりと呼び覚ましてくれます。
さらに彼の作品群が持っている圧倒的な描写力。個々の場面や表情、動きなど細部にまでこだわって描かれているので、まるでその世界に触れているかのような感覚を覚えます。それこそが松本俊彦作品の特筆すべき点だと思います。
でも何より、松本俊彦の作品を愛す理由は、彼が描く人間の美しさです。美しさだけではなく、その裏側に潜む人間の弱さや葛藤を真剣に見つめた作品群は、我々読者に深い感動を与えてくれます。
この5選を読んでみて、是非とも松本俊彦の世界に触れ、その魅力を自分の目で確かめてみてください。勿論、上記以外にも素敵な作品がたくさんあるので、それらもどんどん手に取っていただければと思います。それでは、皆さんが松本俊彦作品との出会いを楽しむことが出来ることを心から願っています。
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