九段理江4選
九段理江さんの作品、4つをピックアップしてみました。どれも異色で挑戦的。まずは、時代背景が鮮織に描かれた制服物語。緻密な描写から息苦しさを感じる方もいるかと思いますが、その圧倒的なリアリティには心打たれます。次に紹介するのは異世界もの。気が付けば彼女の世界観に引き込まれていきます。そして、彼女の作品といえばやっぱりこの学園モノ。一瞬で読み終えてしまうようなサクッとした内容ですが、その中にも彼女らしいメッセージが詰まっています。最後におすすめするのは、夢と現実が入り混じったファンタジー。この作品を読むと、九段理江さんの持つ巧みな語り口に気づかされますよ。
『GOAT Winter 2026』
29万部突破！話題沸騰の新文芸誌、第3号
〇特集「美」
【小説】
高瀬隼子 九段理江 間宮改衣 山口未桜 芦沢 央 井上先斗 大前粟生 児玉雨子 蝉谷めぐ実 永井紗耶子他
【インタビュー】
池田エライザ
【対談】
上白石萌音×藤原さくら
恩田 陸×鈴木成一
【芸術新潮コラボ企画】
暮田真名×Nerhol
ぱらり×諏訪 敦
【鼎談】
佐藤 究×IIISU
[本格ミステリ特集]
【鼎談】
青崎有吾×阿津川辰海×白井智之
【エッセイ】
有栖川有栖 法月綸太郎
【私のGOAT本】
町屋良平 松井玲奈 宮内悠介 yama他
【文学賞】
第3回GOAT×monogatary.com文学賞 受賞作発表
選考委員長:加藤シゲアキ
【対談】
藤ヶ谷太輔×朝井リョウ
俵 万智×岸田 繁
平野啓一郎×マライ・メントライン
【鼎談】
浜辺美波×目黒 蓮×長月天音
[特集]
「ぎんなみ商店街の事件簿」完全ガイド
読書系 YouTube「ほんタメ」×「GOAT」コラボ
【対談】たくみ×齋藤明里
【インタビュー】井上真偽 新作試し読みも！
【小説】
金子玲介 貴志祐介 佐原ひかり 遠田潤子 八木詠美
他豪華企画多数！
【編集担当からのおすすめ情報】
「美」というテーマにとことん向き合い、表紙には”コールドフォイル”という特殊な加工を施して、虹色のグラデーションのような輝きを実現しました。ぜひご覧いただけますと幸いです！
| 作者 | 高瀬隼子/九段理江/山口未桜 |
|---|---|
| 価格 | 510円 + 税 |
| 発売元 | 小学館 |
| 発売日 | 2025年12月03日 |
『Schoolgirl』
祝・第170回芥川賞受賞。
新芥川賞作家の原点。第73回芸術選奨新人賞受賞作。
どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、
お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。
社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、
私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。
そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」についてーー？
第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
| 作者 | 九段 理江 |
|---|---|
| 価格 | 1650円 + 税 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2022年01月17日 |
『東京都同情塔』
| 作者 | 九段,理江,1990- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2024年01月 |
『しをかくうま』
第45回野間文芸新人賞受賞作。
疾走する想像力で注目を集める新芥川賞作家が描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。
太古の時代。「乗れ！」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで移動できるようになったーー人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。
そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。
現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を取り戻すため、そして愛する牝馬＜しをかくうま＞号に近づくため、両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだったーー。
| 作者 | 九段 理江 |
|---|---|
| 価格 | 1650円 + 税 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2024年03月12日 |
そうです、九段理江さんの魅力を4作品で紹介しました。感動と涙、笑いと驚き、その全てを含む、九段理江さんの世界を少しでも感じることができたら嬉しいです。
九段理江さんの作品は、異なるテーマを扱う一方で、全てに共通して存在するのが「人間賛歌」であり、「実直さ」です。それを描く筆致は独特で、時には厳しい現実を突きつけ、時には温かい絆を示してくれます。それらは全て、読み手に人間の存在を真摯に問いかけるような作品作りをしているのです。
また、彼女の作品には「思考する楽しさ」が詰まっています。読む人をただ泣かせるだけ、笑わせるだけではない、そこには必ずと言っていい程、「考えさせられる何か」が存在しています。それは時として難解なテーマであったり、日常生活の一部であったりしますが、どれもが読者の心に深く問いかけてくるのです。
そして何より、九段理江さんの優れた点はキャラクター達への深い愛情です。彼女の作品に登場するキャラクターたちは、それぞれが個々の存在として存在し、独自のストーリーを持っています。それらは全て丁寧に描かれており、読者に強い共感を呼び起こします。
このような九段理江さんの作品を通じて、読者は数々の刺激と感動を与えられるでしょう。それほどまでに深みのある人間ドラマを描き出す九段理江さんの魅力を、今回紹介した作品を通じて感じていただければ幸いです。今後も、彼女の世界観に引き込まれていく楽しみを、心待ちにしてくださいね。
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