感染症が物語の鍵を握る小説5選
感染症がもたらす葛藤を描いた小説たちは、ある意味で人間関係や社会の構造を浮き彫りにします。鳥インフルエンザが町に持ち込まれる作品は、情報公開とパニックのバランスを見事に描いています。一方、マラリアを題材にした作品は、恐ろしい病気と闘いながらも、希望と愛情を失わない姿が描かれています。赤ちゃんの感染症が家族の絆を試す作品もあり、涙なくしては読めません。また、特異な感染症がもたらす終末感が描かれたディストピア作品は、人間の尊厳を考えさせられます。最後に、感染症がもたらす疑惑と謀略が物語りを深める推理小説もオススメです。
『感染シンドローム』
タジキスタンで原因不明の感染症が発生した。フリージャーナリストの御堂万里菜は年下のAD小島と共に現地取材に出発するが、乗り換え地のモスクワで小島がウイルス感染の症状をみせて突然死する。特効薬のないウイルスが全世界で猛威を振るう中、ひとりの女性ジャーナリストが真実を追う!
作者 | 初瀬 礼 |
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価格 | 847円 + 税 |
発売元 | 双葉社 |
発売日 | 2020年08月07日 |
『感染源』
作者 | 仙川,環,1968- |
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価格 | 不明 |
発売元 | PHP研究所 |
発売日 | 2013年11月 |
『感染捜査』
東京五輪開催を目前に控えた2020年6月、お台場の飲食店で複数の惨殺遺体が発見された。同じ頃、東京湾上の豪華客船でも同様の事案が発生。狂犬病の亜種と思われる新種ウイルスが原因と判明する。感染者の発症率は100%。しかもゾンビ化し人間を襲い食らう。乗客、警察官と海上保安官選抜者からなる「感染捜査隊」を乗せた同船は、硫黄島近海に隔離されることとなったがーー。女性刑事と海保出身の隊長が繰り広げる死闘に瞠目せよ!
作者 | 吉川英梨 |
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価格 | 1012円 + 税 |
発売元 | 光文社 |
発売日 | 2024年11月12日 |
『コロナ感染殺人事件』
一平&美優シリーズ
2020年世界は新型コロナの蔓延で経済活動が停止し混乱していた。
美優は、数々の難事件で功績が有り、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。
静岡県警では横溝課長が転勤し、後任に静内課長が着任してきた。静内課長は素人の美優に頼る捜査を卒業しようと刑事達に通達した。
そんなコロナ渦の九月、秘境温泉に身元不明の全裸の若い女性の遺体が発見された。
その遺体はコロナに感染していた。
次々と事件関係者がコロナ感染をし、捜査は混迷を深めてしまった。
美優に頼らないと誓った静内捜査一課長も犯人逮捕に焦る。
誤認逮捕になるのか?美優の独自捜査が始まる!緊迫の駆け引き!
作者 | 杉山 実 |
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価格 | 1100円 + 税 |
発売元 | 学術研究出版 |
発売日 | 2021年06月22日 |
『ペスト』
アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
作者 | カミュ |
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価格 | 935円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2004年01月 |
感染症が描かれる物語には、それぞれ異なる見方や解釈があるのが面白いですよね。人間の生と死、差別や偏見、そして人間性まで浮き彫りにされるなんて、感染症を扱った物語は想像以上に深いテーマを描けるんだと感じさせられます。
その一方で、恐怖や絶望感が描かれる場面があるため、どれも楽観的で明るい作品ばかりじゃないということも重要です。しかし、そこには作者のメッセージやテーマが隠されているんですよね。重苦しく感じる場面でも、著者が何を伝えたいのか、キャラクターたちはどう挑むのかを捉えるのが私達読者の役割だと思います。
感染症が核となる物語は、我々が目の当たりにしている現実世界とリンクする部分も多いです。読んでいると、自分自身がその状況に立たされたらどうするのだろうと考えてしまう瞬間もあります。それぞれの作品を通じて、見えてくる社会の光と影、そして我々の在り方を再考する良いきっかけになるのではないでしょうか。
なお、紹介した作品は、感染症が主題になっているものですが、すべて小説や漫画としての面白さもしっかりと備えています。難しいテーマを取り上げつつ、物語としての面白さやドラマチックな展開を楽しむことができるのも一読の価値ありですね。
これらの作品に出会えて私自身も多くのことを学ばせてもらっています。これからも様々な作品を通じて、新たな視点や思考のきっかけを得ることを楽しみにしています。そして、皆さまにもその楽しみを共有してもらえたら嬉しいですね。
今回紹介したようなスリリングで思索を促す物語を読み進める中で、我々は新たな視点を得ることができます。物語を通じて人間を深く掘り下げ、合わせて我々自身も自己を探求する力を与えてくれるのが、感染症をテーマにした作品の魅力だと私は信じています。是非、手に取ってみてくださいね。
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