介護のエピソードが出てくる小説4選
介護の現場は、時に辛さと喜びが交錯する、人間の深淵を描き出す絶好の舞台です。ここでは、介護体験を描いた4つの小説をピックアップしました。
まず1つ目は、実母の介護を通じて描かれる家族の絆と別れ。言葉にならない想いも、作家の巧みな表現で心にリアルに響きます。2つ目は、認知症の母との逞しいが一途な介護生活。困難さを糧に変え、母への愛情を再確認する様子に涙。3つ目は、入院生活の人々を描いた群像劇。患者だけでなく、その家族やスタッフの人間模様も繊細に描かれています。最後に4つ目は、身近な家族の介護をきっかけに描く、人生と死の大切さを考えさせる作品です。どれも心に深く刺さる、読後につい思いを巡らせてしまうような作品です。
『ハートレス・ケア』
就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。
利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。
どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうかーー。
第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作品。
CARE1 俺の仕事は◯◯
CARE2 介護職なんて底辺でしょ?
CARE3 尊厳の保持が私の使命
CARE4 人生に、彩りを添えて
CARE5 求める人が、いるのなら
エピローグ
作者 | 小原瑞樹 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | opsol book |
発売日 | 2024年09月03日 |
『介護の花子さん』
かつて介護の仕事は、「3K(暗い・きつい・きたない)」などと呼ばれたが、今はまったく違う。そこは、「命」と「人生」に向き合うことのできる、最もドラマチックな仕事の最前線である。泣いて笑って感動して、仕事の素晴らしさに触れる、最高の物語。
作者 | あさばみゆき |
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価格 | 1210円 + 税 |
発売元 | Gakken |
発売日 | 2024年09月05日 |
『ロスト・ケア』
社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す、魂を揺さぶるミステリー小説の傑作に、驚きと感嘆の声。人間の尊厳、真の善と悪を、今をいきるあなたに問う。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
作者 | 葉真中顕 |
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価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 光文社 |
発売日 | 2013年02月17日 |
『新卒ですが、介護の相談うけたまわります』
大規模な事業を展開する社会福祉法人“花の郷会”に新卒として入社した小飼里枝。やる気に燃える里枝だったが、配属先は希望とは異なる“介護保険外相談所クルクマ”に決定!介護保険「外」って?と思いつつ、里枝が向かった先で待っていたのは、ツナギにぼさぼさ髪のむさい男。クルクマの所長を務める彼、早馬海吾は「相談や悩みを聞いて500円をもらえばいい」と簡単に言うのだが…?青春と感動の旗手が描く、汗と涙のお仕事ストーリー開幕!
作者 | いぬじゅん |
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価格 | 704円 + 税 |
発売元 | 一迅社 |
発売日 | 2018年06月 |
介護をテーマに描かれたこれらの作品を通して、いかに自分たちが生きる上で他者との繋がりが大切なのか、また、誰しもがいつかは介護という壁にぶつかることがあるという現実を再認識させられるでしょう。テーマは重いかもしれませんが、それぞれの作品はそれぞれの方法で、介護という難しさを乗り越える人間の力や、困難な状況でもほんの少しだけ笑える瞬間、そして時には深い悲しみをも包み込んで描かれています。
介護の現場は、時には過酷で、異常なほどのストレスが伴うこともありますが、その一方で、家族や他人との間に深まる絆や理解、そして成長する姿を描くこともしばしばあります。そのような介護の現場の実情と、心の中での対話を描くことで、読んだ後の感動や考察は他のどのような作品とも違うものになるでしょう。
それぞれの作品が、介護というあまり語られることのない世界を照らし出し、考えるきっかけを与えてくれます。それは時に哀しく感じるかもしれませんし、辛い毎日を送る介護者やその家族の姿に涙するかもしれません。しかし、そこには間違いなく人間の強さと優しさが描かれており、その現実に目を向けてみることは、自分自身を見つめ直す一つの機会にもなるでしょう。
今回ご紹介した作品を通じて、介護の現場に関わる人々への理解が深まれば、そしてもし自分自身が介護の現場に立つことになったときに、少しでも対処しやすくなればと願うばかりです。
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